IIABAワシントンD.C.法制度会議および総会参加報告

2013年4月16日(火)~20日(土)

 
写真提供:TMSN net

 初日はエージェンシーを二社訪問した。午前中は市の中心部から50kmほど離れた北西部の町、リースバーグのEP&H保険サービス社である。同社の歴史は古く、設立105年。従業員数は7人である。しかし、手数料収入は1億4千万円(140万ドル)、一人当たり収入は2千万円(20万ドル)である。ほとんどすべての書類(保険証券、申込書、移動承認書など)がスキャンされコンピュータに蓄積される。スタッフは、コンピュータ・スクリーンを見ながら、ヘッドフォンを付け、顧客対応や、保険会社との交渉を行う。ペーパーレスである。社長イングル氏の机にはアイパッドのみが置かれており、それを使って日々の業務に携わっている。
 午後はそこから東に30kmほど離れたロックビル市に拠点を置くインシュアランス・アソシエイツ社を訪問した。同社の従業員数は50名;内訳は、プロデューサー7名、企業保険(CSRやアカウント・マネジャーなど)18名、保証7名、従業員福利厚生給付プラン6名、経理2名、総務3名、個人保険1名、マーケティング1名、クレーム3名、経営2名である。収入は8億円(8百万ドル)、内訳は企業損害保険が50%、保証37%、従業員福利厚生給付プラン12%、個人損害保険1%である。建設業と非営利団体を得意とする。同社の新規開拓戦略は、プロデューサーにネットワーキングを積極的に行わせることである。たとえば、公認会計士、銀行員、弁護士との交流だ。更に、業種団体や商工会議所のイベントやに積極的に参加しているとのことである。
 翌日18日は規正法会議を兼ねた朝食会の後、10時から午後3時まで日本からの参加者のためのセミナーが行われた。最初の講義はバーンズ・エージェンシーの社長であり、ACT(IIABAテクノロジー委員会)の委員である。スマートフォン、タブレット、その他携帯機器を利用したマーケティングや顧客サービスについての話を聞いた。
 次の講師リック・ディンガー氏は、いかに様々な規制法に対応し、自社を経営してきたかについて語った。特に、1988年の法案103条が業界に与えた影響について説明した。
 三番目の講師、ダイアン・マティス氏はIIABAのインベスト・プログラムを紹介した。同プログラムを始めたきっかけは高校生に安全運転を教えることであった。今では、若者を保険やリスク・マネジメント業界に呼び込むために大いに役立っている。インベスト・プログラムの下、短期大学や高校で授業が行われる。これらの授業は、高校や短期大学で卒業のためのビジネス教育コースの必須単位として認められている。コースでは独立エージェンシーや保険会社の業務のシミュレーション(擬似体験)を行う。また、保険エージェンシーでの研修制度が用意されている。
 最後の講師はCFPのデイブ・エバンズ氏。医療保険改革後の市場について講義した。医療保険改革法は多くのエージェンシーに影響を及ぼしている。例えば、今回訪問したエージェンシー2社が受けた影響は異なる。EP&H保険サービス社は、同法によってマイナスの影響を受け、午後訪問したインシュアランス・アソシエイツ社は団体医療保険の売上が上昇した。これは医療保険改革法についての専門家が自社にいるか否かの違いである。

   今回の参加者の感想: 訪問先エージェンシーの経営が大きく異なっており、面白かった、とのことでした。