第22回ベストプラクティス・セミナー報告

 
写真提供:TMSN net

テーマはリスクマネジメント。先ず、甲南保険センターの武田氏が「日本に於けるリスクマネジメントの軌跡と保険営業の実務としてリスクマネジメントの位置付け」のタイトルで講義した。内容は、リスクマネジメント発展の歴史、リスクマネジメントの概要、保険営業実務とリスクマネジメントの目的や位置付けである。氏はリスク・マネジメントの概念を、リスクの確認、測定、及び制御を通じて、最小コストでリスクから派生する不利益を最小化すること、または、リスクによってもたらされる損失を確認・測定・処理し、制御するプロセスと説明する。更に、リスクの分類、リスク・マネジメントの意思決定手順、リスク処理のテクノロジーについて説明した。また、北米では、中規模以上の企業にリスクマネジャーが存在し、企業活動に伴うリスク処理の意思決定に重要な権限を有していることを指摘した。

二番目の講師はアームコンサルティングの副島氏。タイトルは「リスク・マネジメントの実践」である。氏はリスク・マネジメントのプロセスとして1)リスク・マネジメントの目的明確化、2)顧客のリスク調査、3)リスクの分析・評価、4)リスクコントロール、そして5)リスクファイナンシング・プログラムの検討及び実施である。氏は各ステップについて、例を挙げて説明した。更に、契約によるリスクの移転事例として、“契約による移転”や“地震のリスク移転事例”、又、リスクファイナンシング・プログラムの作成の項では、オリジナルの保険プログラム作成について説明した。

その後のパネルディスカッション「営業とリスクマネジメント」では、森川氏の司会により副島氏と武田氏が意見を述べた。グループ・ディスカッションでは参加者が二つに分かれ、自由に議論した。いつもながら、中身の濃い内容であった。リスクマネジメントの講義については、CSR業務と同様に、今後も継続して行う予定である。