IIABJ第7回年次大会報告

写真提供:TMSN net

基調講演は「損害保険業界の現状と今後の課題;共通化・取組みを中心に」と題し、日本損害保険協会の常任理事である栗山秦史氏が現状と今後の課題について話した。先ず、損保マーケットの現在として業績の低迷と三メガ損保の現状と今後について述べた。業績低迷の要因として、主要保険種目の保険料率の引下げ、料率の自由化、景気低迷を挙げている。業務の標準化への要因として保険金払い漏れ、構造的な事業収支の悪化、東日本大震災を指摘した。今後の展開として適切な業界協調の必要性があるとし、独禁法上の問題や諸外国の現状を考慮しながら、価値観の醸成や標準化の具体的な方法を探る必要があると述べた。
次は「米国最新流通動向とベスト・プラクティス」のタイトルでIIABAアジア担当ディレクター野田節子氏が講師を務めた。先ず、日本との違いに焦点をあて米国業界の現状を説明した。保険会社数、元受正味保険料(日本の数倍)、保険規制法(州規制)、標準申込書や汎用のエージェンシー管理システムの存在に加え、卸売り業者や副代理制度が保険流通に与える柔軟性を述べた。ベストプラクティス・エージェンシーの定義(成長率・生産性・利益率・継続率・安定性に優れている)を説明し、利益率、プロデューサー当りの新規契約手数料収入、CSRあたりの担当契約手数料収入、生産性の具体的な数値を挙げた。
又、商品紹介として準会員のEbixとトムソンネット、特別会員のAIUがそれぞれの商品説明を行った。トムソンネットは代理店経営のセキュリティとしてPマーク取得、AIUは中小企業商品について説明を行った。