2016年米国研修報告

2016年9月6日~14日 シカゴ&サンディエゴ

写真提供:H. Yoshikura

 米国研修は通常4月にワシントンD.C.で行われるIIABA法制度大会への参加を兼ねて行うのだが、今年は9月の教育年次大会参加に合わせて研修を行った。会場となったシカゴでは、五社を訪問、セミナーを受講した。シカゴで4泊した後、サンディエゴに移動、三社を訪問した。
 今回の研修で得た情報や印象を表すキーワードは、テクノロジー、M&A、リスクマネジメント・サービスである。

テクノロジー

 シカゴでの最初の訪問先はエージェンシー管理システム開発会社「アプライド」。同社の最新商品「エピック」はクラウド・ベースの管理システムである。エピックによって、エージェンシーは、生保と損保の契約両方を一つのアプリケーションで管理できるようになった。エージェンシーのほぼ全ての業務-見積算出、提案書作成、申込書及び異動処理、クレーム対応、経理、顧客管理、見込客管理、証券管理、保険会社とのインターフェイスなど-を、スタッフは、椅子を離れずに遂行できる。生保と損保の契約データが統合されたことによって、クロスセリングは容易になった。

M&A

 シカゴで二日目に訪問したのはプライベート・エクイティ・ファンドを利用して拡大している「ツルー・ノース社」に売却したばかりのエージェンシーであった。1902年に設立された「ミーカー・マグナー社」の社長は四代目、売上(手数料収入)は2億5千3百万円($1=¥100)、従業員数15人である。一人当たり収入は1千6百80万円、即ち、生産性は高い。それでも、将来の成長のために売却を決めた。昨年数社から買収のオファーを受けていた。それら数社との話合いの結果、ミーカー・マグナー社が選んだのはツルー・ノース社であった。理由は次の通り:

  1. マグナー氏が株の一部を所有できること
  2. プロデューサーとしてこれまで通り新規開拓に励むことができること
  3. 従業員が解雇されないこと
  4. ツルー・ノース社の経営哲学が自社のそれと同じであること
リスクマネジメント・サービス

 サンディエゴの訪問先「キャビナック&アソシエイツ」のリスクマネジメント・チームは4人で構成される;労災保険コンサルタント、人事コンサルタント、クレーム管理、安全管理コンサルタントである。これら4人が、リスク管理に関わる様々なサービスを提供する。職場の実地検査、トレーニング、従業員用ハンドブックの見直しや編集、IIPP(Injury & Illness Prevention Program=傷害及び疾病防止プログラム:米国労働安全衛生局の監督の下で実施される安全プログラム)実施の監査、クレーム管理、など。

 来年9月はシカゴおよびラスベガスでの研修を予定しています!