第11回IIABJ年次大会の報告

総会では新理事としてEIC保険エージェンシー株式会社の遠藤義之氏と株式会社バリュー・エー ジェントの千秋昌康氏を新理事に迎える。更に、理事の会費、これまでは10万円であったが、 15万円とすることに決まった。会長、副会長はこれまでと変わりなく20万円である。過半数で 承認された。
基調講演は株式会社富士通総研第一コンサルティング本部の小川泰幹氏による「保険業界 におけるデジタル変革(InsurTech)」である。小川氏は、デジタル変革の潮流について、商品 の観点、プロセスの観点、チャネルの観点から述べた。商品については自動車保険について、 走行距離や運転慣行を基にしたアンダーライティングやロスコントロールについて詳細な図を 用いて説明した。生保分野についてはGPSや加速度センサー、心拍センサーを搭載した身につ けられる機器やそれらを活用した保険について説明があった。プロセスの観点についてでは、 現在、利用者が増えているレモネードやフレンドシュアランスについて述べた。チャネルにつ いては見積りの比較サイトや代理店による付加価値サービスとして企業向けのダッシュボード についての説明を行った。このダッシュボード、和訳機関紙2006年2月号(11年前)に、カリ フォルニアのフィリス・エージェンシーが、財務の健全性と業績動向を調べるためにダッシュ ボードを利用している、という記事を載せたことを思い出しました。
「当社の経営現状報告」第9回の報告者は株式会社保険総合研究所の清岡義教氏である。保険 総合研究所の設立は1972年、現在の従業員数35人。リスクソリューション型の提案を行う。即 ち、顧客の業界を理解し、そのリスクを予測し、保険に限らずあらゆる角度から情報支援を行 い、新しい情報を他社に先立って提案する。その結果、競争相手とは保険料の勝負をすること なく、他の保険を提案する機会が増える。又、リスクに対しカバーの漏れが起き難く、提携先 の士業連携もできるという成果があるとのことだ。それにしても、会社紹介用のビデオは素晴 らしいものであった。
株式会社バリュー・エージェントの千秋昌康氏が米国研修報告を行った。訪問リポートもさ ることながら、IIABAの活動内容についての説明は分かり易く、的確であった。千秋氏からは 米国研修前にIIABAの活動について色々と質問を受けた。私のつたない返答を正しく理解し、 報告書にまとめていた。感謝します。
最後はChubb損害保険株式会社の取締役兼経営企画本部長の高木玲雄氏による「Chubb損害 保険会社の経営方針及び商品」であった。高木氏は先ずChubbの概要を述べた。54カ国で事業 経営、従業員数3万人。氏は個人・団体マーケット、マーケット別の商品ポートフォリオ、大企 業・中小企業マーケットについて説明した。代理店サポートとして、市場開発、業務サポート、 トレーニング、インセンティブを挙げた。
参加者の殆どが参加した東洋レストランでの親睦会は賑わいました。