第36回ベストプラクティス大阪セミナー報告
第36回 IIABJベストプラクティス大阪セミナーは、損保ジャパン肥後橋ビルの研修室で行った。先ず、元金融庁検査局総括検査官兼副監理で、(株)インシュアランス・サービスの顧問である堀兼三氏が、改正保険業法への対応と顧客優先の業務運営について講義した。氏は、改正法対応に関わる代理店のヒアリング結果について、それぞれの項目-意向把握、提案説明、比較推進販売など-毎に説明した。
意向把握については、大規模代理店(役職員101人以上)の取組みは、相談のきっかけとなった出来事や顧客の不安解消方法など、感情面も併せて把握、記録することを社内規則としている、と答えている。一方、中小規模代理店(役職員11名~30名)の場合、保険の概念を理解してもらうことから始めるとのこと。
比較販売について、中小規模代理店の取組みとしては、外部業者に、相談者を装って来店してもらい、店頭で募集人の対応の適切性を確認する方法をとっている。一方、小規模代理店の場合は、募集人の給与を固定給とし、保険会社のキャンペーンや手数料率を募集人には伝えない。更に、来店顧客への商品説明においては拠点長が同席、必要に応じて募集人にアドバイスを提供するようにしているとのことである。
「当社の経営現状報告(第11回)」の最初の報告者は(有)シリーの丸山氏のインタビュー動画から始まった。インタビューに対し、丸山氏は「保険会社数が少ない業界において、中小企業に適切な保険を提供することに努めている」そして、自社について「若い人が夢を持って仕事ができる職場でありたい」と語っている。
シリーは1991年設立、生損保それぞれ一社との委託契約で始めた。しかし、1999年IIABAの活動を知り、2000年に乗合打診、2006年には生損保複数会社との乗合を果たした。2009年以来、少額短期保険会社の商品販売(例:エクセルエイド)に力を入れている。
次は、(株)甲南保険センターの武田氏。同社はリスクマネジメント(に類似のサービス)の提供を基本にしている。同社の強みは、リスク査定から始めること、そして複数の保険会社から見積を獲得できること、である。課題は、CSR間の業務の均等化である:特定のCSRのみ残業をしている状況がある。他のスタッフが、代わりに出来ることが理想であるが、能力の差があり、現実的ではない。いかに対応すべきか。
武田氏は自社の完璧なベストプラクティス調査シートを開示してくれた。シートには収入、経費、従業員数などを含む。ぜひ、次回の報告者にもお願いしたいものである。
米国研修報告については(株)バリュー・エージェントの 千秋氏が、今回はシカゴで受講したセミナーを中心に報告を行った。今年は9月5日~13日、シカゴおよびラスベガスである。今年も、様々な米国会社を訪問する。皆様のご参加をお待ちします。