第31回ベストプラクティス福井セミナー報告

  

福井での第31回ベストプラクティス・セミナーでは、武田氏が「CSRの業務」について、更に、武田氏、長井氏、浜中氏が自社経営について報告した。福井は2010年11月にセミナーを行っており、今回は5年ぶりであった。先ず、米国のベストプラクティス・エージェンシー統計調査結果の数値についてIIABAアジア担当事務局長の野田氏が報告した。ベストプラクティス調査は、エージェンシーの価値を高めるため、更に、多くのエージェンシーが業績の優れたエージェンシーの経営内容を習うことができるように、1993年に開始された。20年後の2013年には利益率が二倍(12%→23%)、生産性を二倍にすることができた。2013年時の成長率は9.9%、生産性は1千6百万円である。
武田氏は「CSRの業務について」で、CSRの業務内容と業務効率について具体例を挙げながら説明した。CSRの仕事の中身とは顧客と向き合う営業的な仕事と内務業務の事務処理の仕事の二面性を持ち合わせる。甲南保険センターでは、一人のCSRが複数(3名~9名)の営業を支えている。CSRにとっては業績や経験の異なる数人の営業担当者に対応することによって。業務能力の向上や効率化が促進される、と武田氏は言う。CSRの業務効率を改善する方策として、氏は、クロスセリングの励行、顧客に保険の全種目を提案する、保険期日の統一などを挙げている。
「当社の経営現状報告及びQ&A」では武田氏が、甲南保険センターの詳細な経営指標数字を示した。売上、自己資本比率、営業利益、人件費率に加え決算内容を報告した。また、『独立保険代理店の発展段階における弊社の位置づけ』と題し、独立代理店の成長過程を業績、営業拠点数、顧客数、経営体制などで区別し、育成期から企業経営発展期までを表で示した。
長井氏はテクノロジー活用の経営と題し、ウィッシュの経営現状の報告を行った。自社システム開発の動機として、顧客、証券、保全などの管理のために何度も同じデータ入力をしていたこと、保険会社のシステムに依存していたため調べるのに時間がかかっていたことなどを挙げる。システム概要について、図入り、写真入りで説明した。
浜中氏はピー・アール・エフが行っている保険リスクマネジメント(以下“RM”)について説明した。同社は顧客を取巻くリスク(事故例)を徹底的に調べ、評価し、リスクに対する対応策としての保険の最適化を提案している。先ず、RMの範囲を『保険RM』と『企業自身の守備範囲(保険ではカバーされないものが多い)』に分ける;リスクを5つのカテゴリーに分類;リスクの確認を行う・・・リスクの確認やリスクの評価、更に、保険の仕分けなど詳細な具体例を挙げている。
武田氏、長井氏、浜中氏による経営現状報告は必見です。
福井のIIABJ会員の伴保険事務所の伴氏とアイル保険センターの西井氏には会場や懇親会の手配など、お世話になりました。ありがとうございました。