第28回ベストプラクティス東京セミナー報告

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11月14日の第28回ベストプラクティス・セミナーはこれまでとは少し違いました。今回は、会員の皆様に「当社の代理店経営の現状」について報告してもらいました。実に素晴らしかった!発表者は四人。取り上げられた問題点や対応事例の多くが、他の代理店経営者の方々にさぞや参考になると思われるものでした。報告者は(株)オンワード・マエノの内田氏、(株)遠藤保険サービスの遠藤氏、(有)エバーグリーンの小薮氏、そして(株)キャリアリングの吉田氏でした。
先ず、オンワード・マエノの内田氏: 同社の理念は常識を変え、価値ある未来を創造すること、顧客に安心と満足を提供すること、仲間と家族を大切にすること、です。同社の売上高の推移(1997年~2013年)を、損保、生保それぞれボーグラフで示しました。又、ターニング・ポイントとして、(1)福祉業界への保険提案、(2)ハウスビルダーとの提携、(3)来店型ショップ、(4)損保法人への特化を挙げ、それらの実践において「学んだこと」と「問題点」について述べました。実行してみたこととして、個人自動車保険は販売せず通販を勧めていること、提携先を増やすこと、法人損保のセールス担当に女性二人を採用したこと、などを挙げ、それぞれのプラス面とマイナス面を説明しました。
遠藤氏: 遠藤保険事務所は1992年設立、従業員数は24名、新潟市を拠点としています。同社の主要業務は、生損保代理業に限らず、ロスコントロール、クレーム管理、経営者・管理者向けセミナーの提供です。同社が得意とする業界の一つが運送業です。事故ゼロを目指し、安全運転のセミナーを提供しているとのこと。7ヵ年計画の第二期(2014年~15年)のテーマとして、売れる仕組みづくりと営業品質アップの推進、第三期(2016年~18年)はブランドつくり、経営品質の充実を挙げています。今年度の取り組みとして、営業品質の効率化(マニュアルの再整備や社内勉強会の見直し)、人づくりと態勢整備(社外研修の活用、人事制度の再構築など)を挙げました。
エバーグリーンの小薮氏は、目標に「10年後に10倍の規模に。但し、人員は5倍に」、順調に行っていることとして、業務の効率化―特にシステム化と情報の共有―を挙げました。同社の抱える問題は、新規採用が難しいことです。また、苦労していることとして、保険会社の建前主義と都合主義への対応、そして、中小企業の多くが悩んでいる人材と資金を得ることの難しさです。そのような苦労にもまれながらも、エバーグリーンはシステムを自社開発しています。それも低コストで実行したとのこと。どうぞ、一度、ご見学ください。
最後はキャリアリングの吉田氏: 先ず、キャリアリング設立までの彼女の苦労話に皆、感動しました。同社の強みは、攻略先企業のリスクを保険に限らず、他の分野、例えば、労務・財務・法務の面からも解決策を提案していることです。例としては、建設業-労働安全衛生法を理解し、重大事故の事例を調べ、顧客との面談でそれらについて話す;食品業-ウィルス感染やその予防について学び、それを顧客との会話に引用する、といったことです。課題として(1)一人営業の限界を認識、営業担当者の採用と教育に力を入れること;(2)顧客に安心を提供するために必要なことに挑戦すること;(3)経営サポートのメンバーを顧客に認知してもらうこと、を挙げました。吉田氏には来年2月19日福岡でのベストプラクティス・セミナーでも報告してもらいます。
基調講演は私(野田)が行いました。内容は現在の独立エージェンシー社数(規模別)、ベストプラクティス・エージェンシーの要件と特徴、実例としてグラハム社とソドバーグ保険などを挙げました。又、中小企業としての保険代理店の現状と、海外有識者の日本の中小企業に対する見方を述べました。
基調講演の前には武田会長と私(野田)がIIABAの沿革、IIABJの沿革について20分話しました。この沿革についての説明は、今後のセミナーには必ず含めるつもりです。