IIABA法制度大会参加&エージェンシー訪問

2014年4月11日~17日

写真提供:TMSN net

 2001年にハワイでIIABAコンベンションに参加して以来今年は14回目の米国研修。最も充実した研修であった。理由は、滞在期間を長くしたこと、訪問先エージェンシーを5社に増やしたこと、訪問先に送った質問状に対し、全社から訪問前に回答があったおかげで、当日はQ&Aに徹することができたこと、日曜日に余暇を楽しむことができたこと、などであろう。4月9日にワシントンD.C.に到着、3日間ワシントンD.C.、12日に西海岸に移動、4日間、サンフランシスコ。ワシントンD.C.ではIIABA法制度大会に参加、セミナー受講、エージェンシー2社を訪問、西海岸では3社を訪問した。
 セミナーはピーター・バン・アーツリック氏による「最高のエージェンシーになるには最高のエージェンシーから習う」。この10数年間、IIABAの機関紙にエージェンシーの記事を書いてきたアーツリック氏は、これまで200社以上の独立エージェンシーをインタビューしてきた。内、特に印象に残った会社の経営について述べた。例えば、スプローグ保険、FIA保険、スツラトン・エージェンシー、アディス・グループ、サウザンド・アイランド保険、グラハム社など(毎月の和訳機関紙「エージェンシー紹介」を参照のこと)。
 次はIIABA教育部門のVPマデリン・フラナガン氏による最新ベストプラクティス調査結果報告であった。フラナガン氏は、近年、特定の業種や商品に特化するエージェンシーが顕著であることを指摘した。最新調査結果の内容は、毎月の和訳機関紙「統計」頁に掲載している。エージェンシー・テクノロジー協議会の責任者ロン・バーグ氏がエージェントのテクノロジー利用に関する現状について伸述べた。
 最後の講師はIIABAの営利部門「ビッグ“I”アドバンテッジ」の社長ポール・ビュース氏。同部門が開発した商品は数十種類に上る。それらの商品を、会員のエージェンシーが販売することにより同部門は1.5%ほどの手数料収入を受取る。IIABAの年度予算$20,000,000の内68%、即ち、$13,600,000(約13億8千万円)が事業収益で、残り32%が会費収入である。最も収入の大きい商品はエージェントE&O賠償責任保険で全体の10%を占めている。
 ワシントンD.C.での最初の訪問先は「J.W. マッカーティン社」、従業員数14人、手数料収入2億5千万円、生産性1千780万円のベストプラクティス・エージェンシーである。1967年に現社長の父親によって設立された家族経営の会社である。スタッフ全員が二重モニターで業務を行う。ペーパーレスである。収入の65%は個人損害保険、35%は企業損害保険契約である。次は「USI社」。買収によって拡大。米国に150拠点、スタッフ数4千人、年間収入は971億円。この規模のエージェンシーの例に漏れず、顧客には本格的なリスクマネジメント・サービスを提供している。西海岸での最初の訪問先「ヘファーナン・グループ」は1988年の設立以来、25年間に、実質成長(買収ではなく)で現在の規模-従業員数420人、収入103億円-に拡大した。二日目の午前に訪問した「モンテレー保険エージェンシー」は特化型ではなく、何でも屋である。同社の歴史は古く、設立は1888年。営業範囲はオフィスから半径20 km ~30 kmの個人及び企業顧客である。スタッフ数は15人。最終日午後の訪問会社はシリコン・バレーに拠点を置く「スツラトン・エージェンシー」。主要顧客は、勿論、テクノロジー関連会社である。従業員数13人、手数料収入2億5千万円だ。過去数年間、ベスト・プラクティス・エージェンシーに選ばれている。代表者は42歳で、スタッフ全員が代表者より若い・・・。
 このスツラトン・エージェンシーとヘファーナンは再度訪問を予定している。