2015年IIABA法制度大会参加および米国研修報告2015年4月22日~30日
今年も活気ある、得ることの多い研修であった。初日のセミナーでは、「独立エージェンシーの現状」、「テクノロジー活用」、「エージェントE&O保険」、「独立エージェントを取巻く様々な流通媒体」をテーマに話を聞いた。
テクノロジー:携帯機器、SNS、電子署名、ダウンロードなどの利用によって効率化を行っているエージェント業務について、ACT(エージェント・テクノロジー協議会)のVPロン・バーグ氏が説明した。
独立エージェントを取巻く様々な流通媒体:ホールセール・ブローカー、MGA(管理総代理店)、エクセス・サープラス・ライン・ブローカーのそれぞれの定義、業務内容、独立エージェントとの関係について、IIABAの営利部門VPバージニア・ピアソン氏が講義した。保険会社と小売エージェント(=独立エージェント)の間にあって、活躍するこれらのブローカーは、社会、経済の変化に伴って誕生し、育成されました。保険会社のコスト削減、独立エージェントや消費者の利便性に応えるものである。
エージェントE&O保険:エージェントE&Oクレームが発生する主たる業務とは、1)申込書記入のミス、2)顧客への助言に間違いがあった(限度額や担保内容について)、3)リスク査定(顧客が直面しているリスクを正しく査定しなかった;見落としがあった、等)
研修二日目は、RCM&DとVWブラウンを訪問。RCM&D社は大西洋岸諸州に6拠点を置くブローカーである。取引保険会社数は100社を超える。従業員数275人、手数料収入4千180万ドル(50億円)。リスクマネジメント・サービスを提供している。例えば、現場監督者へのトレーニング・サービス、安全プログラム教育、規制法順守コンサルティング、危険物査定など。午後の訪問先VWブラウン社は、1960年設立の会社。2007年に買収によって現在の規模-従業員数45人、手数料収入790万ドル(9億4千万円)-に拡大。顧客に最高のサービスを提供すべく、従業員教育とツールの提供に努めている。顧客への提案は先ず、担保内容を重視し、次に保険料を考慮する。
25日はサンフランシスコに移動、26日はそれぞれゴルフやナパ・ワイナリーでの試飲を楽しんだ。27日の午後はヘファーナン社を訪問。1988年設立、米国の非上場のブローカーでは16位である。取引保険会社数は800社~850社、従業員数は400人超、手数料収入は9千398万ドル(112億円)(2013年)である。従業員が楽しんで働くことのできる環境を用意しており、地域の慈善事業にも積極的に参加している。
28日午前中はサンフランシスコ市内のスィート&ベイカーを訪問。従業員数は40人。サンフランシスコ市のビジネス環境を理解し、地域特有の保険ニーズに応えている。手数料収入は730万ドル(8億7千万円)。午後はスツラトン保険エージェンシーを訪問。昨年に続き2度目である。スツラトン社はこの数年間連続してIIABAのベストプラクティス・エージェンシーに選ばれている。即ち、生産性、利益率、増収率、安定性、継続率に優れたエージェンシーとして、全米上位2%に入るということである。顧客は米国41州に散らばっている。同社の得意分野は次の三つ:1)テクノロジー関連会社、2)レストラン、出前可能のレストラン(ケイタリング)、3)富裕層の個人保険。アプライド社(大手エージェンシー管理システム会社)のベータ・エージェントに選ばれるほど、テクノロジー活用に積極的である。ベータ・エージェントは、アプライド社が開発した新しいソフトを試運転し、使い心地をアプライド社に報告する。同社では最新の管理システム『エピック』の業務処理状況を見せてもらった。顧客のためにソフトを開発したりもする。
訪問先に前もって送った質問状に対し、出発前に回答が戻ってきていたので、当日は経営者とのQ&Aに時間を費やすことができた。