第41回ベストプラクティス東京セミナー報告
7月18日、東京海上品川中央支店で開催。開会の挨拶では、浜中会長がIIAB日本 協会の成立ちと設立目的について話した。浜中会長は、米国本部IIABAに蓄積さ れた情報や知識を参考に、日本という社会・経済風土に合った新しい業界を構築 すべく、共に成長すること、を強調した。
「CSRの実務」ではインシュアランス・サービスの赤木 恵氏が、同社CS部門 の担当者紹介や月毎の満期更改件数などを、写真や図を見せながら説明。同社CS 部門の特徴として、1)担当者の知識の向上とスピード感;2)迅速・丁寧な対 応;3)幅広い提案力を挙げた。二番目の報告者はPRFの美原桃子氏である。美 原氏は先ずCSRの業務範囲について述べた。氏は、保険会社担当者との良好な 関係構築が重要であることを指摘している。正に、そうである。顧客のために最 適な担保内容を手配するには、保険会社との良好な関係に基づいた相談や交渉が 必須である。PRFは詳細な業務マニュアルを用意している。書面で用意すると同 時に、社内のイントラネット(社内ポータル)に掲示しておくと、スタッフがい つでも閲覧できるだろう。
「クレーム対応」ではEIC保険エージェンシーの山田明洋氏が同社の組織図、ク レーム・サービス体制、そして、目指す代理店増としての三位一体型リスク・ソ リューション・モデルについて語った。EIC保険では、クレーム・サービス部門 の業務として、クレーム事案の管理対応や保険金請求手続きの補助・支援に限ら ず、クレーム管理業務、ロスコントロール(事故防止や防災に関するアドバイス、 事故データの統計・資料作成、ロスコントロール機能の研究及び開発)、リスク・ コンサルティング業務(安全講習会、リスク・コンサルティング・サービスの紹 介など)も行なっているとのことである。又、今後の課題として、1)クレーム サービス体制の再構築;2)人材採用と教育;3)業務の見直し、などをあげて いた。次の報告者インシュアランス・サービスの武内明子氏は、同社の特色とし て1)経験豊富なスタッフ;2)社内システムによる営業との事故内容の共有;3) 自動車事故の24時間・365日受付コールセンター;4)自社開発の事故管理シス テムを挙げている。24時間・365日受付のコールセンターやPCやスマートフォンからいつでも気軽に事故状況を確認できる事故管理システムは、顧客にとって最高のサービスである。
米国研修報告ではバリューエージェントの千秋昌康氏とAIG損害保険株式会社の 田中千里氏が、IIABAでのセミナー内容と訪問先9社の特徴や感想を述べた。 IIABA本部ではスタッフがインベスト・プログラム、多様性の推進、トラスティッ ド・チョイス、マーケティングについて講義した。題材は毎年類似したものであ るが、講師が違えば、視点が変わるので、毎回面白い話を聞けるとの千秋氏の感 想である。
今年、訪問先はハートフォード保険会社を含めた9社であった。米国研修の全体 的感想のみをいくつか書き出してみよう。
- インディオ:
訪問先のエージェンシー数社が利用しているシステムである。 一度記入すれば、他保険会社の申込書にも自動転記され、見積依頼が可能。 - 業務の効率化:
訪問した大手の一つヘファーナンではインドに業務代 行会社を設立、4千人を雇用している。見積結果を含む提案書や保険付保証明書 の作成を委託している。別の訪問先であるクリンガー&アソシエイツも同様の会 社をフィリピンに設立。 - 在宅勤務:
優秀な人材を採用し、引き留めておくため、従業員の通勤時 間縮小のために在宅勤務制度を採用している。優れたエージェンシー管理システ ムによって、自宅にいても、会社にいる時と同様の仕事ができることも在宅勤務 を推進している要因である。 - マーケティング:
ウェブやSNSを大いに活用している。SNSによって顧 客増大というよりも、むしろ、顧客、見込み客に自社に親しみを持ってもらうこ とを目的としている。
9月19日開催の第42回ベストプラクティス大阪セミナーでも米国研修報告を行 ないます。どうぞご参加下さい!