第25回ベストプラクティス福岡セミナー報告

  
写真提供:TMSN net

今回のテーマは「ベストプラクティス業務」。IIABJ会員4名が自社の業務を紹介した。先ず、AIP社の近藤真司氏が「実践!リスクマネジメント」と題し営業手法について講義した。氏は訴訟例、約款、判例などを使って労災保険や使用者賠償責任保険について説明する。更に火災保険の見直しなどAIP社独特の、顧客への説得手法を披露した。

次の講師は株式会社PRFの浜中氏。PRF社の使命は、全ての顧客を守ることである。そのために実施している“保険リスクマネジメント”について説明した。保険でカバーされるリスクを顧客に提案する方法である。リスクのカテゴリーを、重要性・緊急性の大きさで分類している。例えば、最小は売上の減少、次に財産の安全、続いて賠償責任、最大の重要性・緊急性に自動車事故を置いている。PRF社は更に、顧客の現在の保険加入状況を表にし、提案書を作成する。顧客にとっては実に分かり易い説明であろう。

三番目の講師は甲南保険センターの田渕千砂子氏と武田氏であった。田渕氏は事故発生から解決までの事故処理プロセスについて述べた。(1)事故報告の受付、(2)契約内容の確認、(3)保険会社への報告、(4)入力・・・・・・(11)支払い完了、(12)事故受付簿、(13)事故一覧表などの帳票の作成まで、詳細な説明であっただけでなく、参考資料としてクレーム検索画面やクレーム管理表の帳票まで添付して頂いた。

武田氏は甲南保険センターのCSR(顧客サービス責任者)の実務について述べた。先ず、CSRの定義と業務範囲、社内におけるCSRの位置/立場について述べた後、CSRの業務内容-満期案内作成、指示書と申込控を営業担当に渡すことーや申込書処理の流れや契約業務の流れに加え、入出金処理や計上業務など実に細かい資料に基づいて講義した。代理店システムについてもパワーポイントの資料を添付いただいた。

最後は長井氏。氏はウィッシュのテクノロジー活用状況について講義した。同社は自社サーバーを持ち、システムも開発している。氏は同社のシステム(サーバー)毎の機能を説明した。例えば、Windsは過去の履歴、家族プロフィール、証券情報、手数料計算などに利用する;ファイルサーバーは顧客の保存用資料や社員のファイル保存用などに利用する;PCAサーバーは税務会計ソフトや部門別会計ソフトに利用する;ロータスノーツはスケジュール、個人成績表、就業規則、社内報記録などに利用、といった具合である。

次は「米国研修報告及び14年度の案内」。トムソンネットの森川氏とウィッシュの西村氏が訪問先エージェンシーEP&H社とインシュアランス・アソシエイツ社の訪問報告とセミナー(エージェンシー・テクノロジー活用の現状、規制法動向、InVEST、医療保険改革法後の市場)について報告した。森川氏は07年以来参加しており、6年間に訪問した全12社のそれぞれの売上や従業員数の表を作成いただいた。

最後は「これからの代理店経営を考える」と題したディスカッション。パネリストは武田氏、長井氏、浜中氏、司会は森川氏。社員教育、採用、営業手法(リスクマネジメント)事業永続などについてそれぞれの会社の取組みを語ってもらった。実に中身の濃いディスカッションでありました。