第24回ベストプラクティス東京セミナー報告

 
写真提供:TMSN net

今回のテーマは「生き延びるための処方箋;従業員教育とテクノロジー活用」である。米国より2人講師を招聘した。1人はCPCUやARMなど多くの保険及びリスクマネジメント教材を製作および管理しているThe Instituteのソール・スォートアウト氏、1人はアートリック社のピーター・バン・アートリック氏である。スォートアウト氏は「エージェンシー事業と販売管理及び専門家としての能力開発」と題し、保険業界における専門家としての教育の必要性について説いた。先ず、The Institute の歴史と使命について述べた。同機関は業界の知識リーダーとしてリスクマネジメントと保険の教育ニーズに応えるために設立された。専門家としての知識、技術力および職業倫理を備えた専門家になることをサポートしている。一昨年、同機関のテキストAAI83(エージェンシー経営)の翻訳権を、IIAB日本協会が取得し、日本の業界で役立てるべく、翻訳と出版の準備を進めている。この和訳テキストについては、森川氏が内容についての説明を行った。

アートリック氏は、増収と顧客維持のためのテクノロジー活用について講義した。先ず、米国のエージェンシー経営動向について述べた。2010年における独立エージェンシー数は3万8千 5百社、内28%は手数料収入15万ドル(1千5百万円未満)、46%が15万ドル以上50万ドル未満(1千5百万円~5千万円)である。損害保険会社数は2千社あるが、エージェンシーが取引する主要保険会社数は企業損害保険、個人損害保険それぞれ6社~7社であるとのこと。但し、これら主要取引会社が扱わない商品やリスクについては、管理総代理店やサープラスライン・ブローカーを通じて商品を取り寄せるとのことである。テクノロジー活用の鍵として複数保険会社汎用のエージェンシー管理システムの開発を挙げている。管理システムについては大手二社(アプライドとバータフォア)が全体の80%のシェアを握っていること、更に、システム利用についてはそれぞれユーザーグループが形成されており、正しい使い方や理解度をメンバー・エージェンシーに推進しているとのことである。又、マーケティングにおいてソーシャル・メディア(フェイスブック、リンクトイン、ツィッターなど)が広く活用されつつあるとのことだ。

次に「当社の経営状況」と題し、武田氏、長井氏、浜中氏が自社経営について報告した。武田氏は甲南保険センターがリスクマネジメントを学ぶことになった成行き(1963年のISP参加以来)や、現在、営業活動において採用しているリスクマネジメントの5段階について説明した。長井氏はウィッシュが使用しているシステム概要を示し、各種の機能を上げた上、以下にそれらを活用しているかについて述べた。浜中氏は保険リスクマネジメントと題し、PRFが行っているリスク分類及び保険対処状況について細かい資料を示しながら講義した。