第23回ベストプラクティス大阪セミナー報告
「損害保険代理店ビジネスの新潮流」と題し、トムソンネットの鈴木治氏と小島修矢氏が講演した。鈴木氏は先ず、代理店誕生の歴史や販売チャネルの特徴について説明した後、今後の収益環境の見直しと改善対策を述べた。今後代理店手数料の引下げが実施されることを鑑み、中小企業市場や未開拓市場の開拓による増収が求められていることを強調した。更に、先進代理店の事例紹介として、東京、岐阜、福岡、大阪の代理店の経営内容について説明した。
小島修矢氏は、副題「ヨーロッパの視座から日本の代理店の可能性を考える」と題し、欧州の損害保険市場事情や世界の企業保険の実態を知ることの重要性や日本の中小企業の方向性について述べた。米国、EU、アジアそれぞれの保険料や国別(米、日、英、中、仏、伊、独)の保険料の比較、英国やドイツやフランスの損害保険市場の特徴について詳細な数値を引用して説明した。更に、世界の企業保険の実態について、企業がリスクをどのように認識し、リスクに対応しているのかについて述べた。代理店の中小企業開拓の障害については、英国のブローカーの解決法を例に挙げ、国際ブローカーとの提携や地道な改革の必要性を挙げた。
次は森川氏が米国研修報告を行った。今年の訪問先はEP&H社とインシュアランス・アソシエイツ社であった。森川氏はこの2社に加え、07年から2012年までに訪問したエージェンシー10社の情報も含め、売上や従業員数について説明した。日本からの参加者のためのセミナーでは、「エージェンシーのテクノロジー活用現状」、「業界の規制法動向」、「InVEST(若者のための保険教育プログラム)」、「医療保険改革法後の業界」について、それぞれIIABAのスタッフやIIABAの会員が講師となった。森川氏は、各セミナーの内容について概要を述べた。